取材リポート
ライオン寺子屋で
子どもたちに第三の空間を
山梨県・甲府ライオンズクラブ
#青少年支援

甲府ライオンズクラブ(風間栄一会長/72人)ではコロナ禍で諸活動が停滞せざるを得なくなった時、小学生、中学生を対象に学校と自宅以外の居場所を作ってはどうかとの意見が出て、「ライオン寺子屋」の開催を立案した。いつ、どこで、どのようにして実現させるのか、メンバーが集まれば常にその在り方や方向性を話し合った。メンバー一人ひとりが真剣に取り組み、ライオン寺子屋は5年前に始まった。
寺子屋は週1回開催され、参加する子どもたちは3〜6人。講師を務めるのは大学生10人ほどで、シフトを組んで当番の3人が勉強の手伝いをする。

開始までの道のりは試行錯誤の連続で、一つひとつの決めごとをしっかりと精査しながら協議を進めた。
【活動の内容】参加対象は甲府市の関わりのある小中学生。学校と自宅以外の居場所として、学校になじめずにいる児童生徒の学習を支援する
【開所する場所】甲府市役所子ども応援室の協力の下、市の子ども応援センターを使用する
【いつ、時間帯】毎週火曜日午後4時から8時まで
【誰が教えるのか】メンバー子弟の情報網を活用すると共に、学生たちにさまざまな方法でPRをする。山梨県内の大学生たち(医大生、社会福祉専攻等)が協力に手を挙げてくれた。掲示板にボランティアとしての協力依頼を掲示すると同時に、特に口コミには力を注いだ
【市との取り決め】使用する部屋の鍵の管理や、参加する子どもたちは市の子ども応援課に登録すること。小学生は親の送迎、中学生は自転車使用OKとした。指導する学生の登録等の管理はライオンズクラブが行う

いざスタートしたものの、初めの1~2カ月は子どもたちの参加は少なく、参加者集めに大変苦労した。地域で祭りがあればライオンズのブースを設置し、ライオン寺子屋の広報をした。
生徒の参加が徐々に増えてくると、大学生の報酬について再検討を行った。ライオンズメンバーにとってはボランティアが当たり前であるが、大学生に対して無償というわけにはいかないと、アルバイトの足しになる程度の報酬を渡すことにした。限りなくボランティアの域に近いものの、有償にしたことで協力してくれる学生たちも多くなったという。この5年間の歩みについて話を聞いて、多くの問題を克服しながら続いてきた活動であることを実感した。

寺子屋が開かれる午後4時から8時までの間、子どもたちの教室への出入りは自由であり、途中で塾や習い事に行く子どもの姿も見受けられた。休憩のおやつタイムもある。
学習の内容をのぞいてみると、学校の宿題、塾の問題、市販の教材の問題などさまざまだ。教室内には小中学生が共に在席していて、国語の問題を解く子どもがいれば、算数の問題に取り組む子どももいる。図形の問題に頭を抱える姿や、自由課題に励む姿は何ともほほえましく、教える人との年齢が近いせいか和気あいあいとした時間を過ごしているのが感じられた。まるで、兄弟姉妹の関係のようである。分からない箇所をかみ砕いて端的に説明し、子どものペースに合わせて指導する大学生の姿も印象的であった。
参加者の中には学校の勉強に若干遅れを取っている子どももいるが、その子に合った対応に気を使いながら勉強に取り組ませる進め方は見事である。子どもたちの勉強と並行して、大学生の社会教育にもなっていると感じた。

甲府ライオンズクラブのライオン寺子屋は、子どもたちに第三の空間を提供するすばらしい奉仕活動だ。コロナ禍の収束後も、子どもたちへの支援の必要性は減るどころか増え続けている。行政との連携によるこの意義深い活動を、これからも続けていただきたいものだ。
講師を務める大学生の中心になっている5人は、甲府ライオンズクラブ学生支部の学生会員とのこと。近い将来、正会員となって甲府ライオンズクラブをもり立ててくれることを期待している。また、参加する子どもたちも、ライオンズクラブの活動を通じて奉仕の大切さを感じ、やがては地域のために活躍してほしいと強く願っている。
2026.08更新(取材:2025-26年度ライオン誌日本語版委員/田中明)

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