投稿リポート 地域の防災資源として
「ら井戸ん65」寄贈

地域の防災資源として「ら井戸ん65」寄贈

岸和田ライオンズクラブ(久納洋一2025-26年度会長/44人)は5月30日、岸和田市の泉州卸商業団地内で防災用井戸「ら井戸ん65」の寄贈式を開催した。この事業は、クラブ結成65周年の記念事業として行ったものだ。

昨今各地で相次いでいる地震等の自然災害や、近い将来に起こるとされる南海トラフ地震の危険性が語られる時、ライフラインの中でも水の重要性を痛感する。しかし、いざという時に自由に使える井戸は身近な所には少ないのが現状だ。岸和田市は大規模地震などで水道が止まった際に利用できる「災害時協力井戸」を指定し、防災マップ等で場所を公開している。地域にある井戸を防災資源として活用する対策だが、災害時に井戸がある個人宅に入ることには二次災害の危険もある。公共の場で誰でも使える井戸の存在は、地域の人々の安心にもつながるものだ。

そこで当クラブは、泉州卸商業団地協同組合の協力を得て、団地の一角に井戸を掘った。当初は深さ50mの予定で進めたが、なかなかきれいな水が出ず、結局106mまで掘ることになった。中に入れるフィルター材としては、日本で初めてガラスビーズを使用。これにより水質が安定するとのことで、協力会社にアメリカから取り寄せてもらった。予定より深く掘ったことで費用がかさんだが、協力会社のお力添えで無事に掘り終えることができて感謝している。

こうして公共の場に完成した防災用井戸の贈呈式には近くの幼稚園の園児も参加してくれ、実際にポンプを押して井戸の水をくんでもらった。非常時に役立つ記憶として脳裏に焼き付いたに違いない。何か事が起こってからでは間に合わない。起こる前に一つの手立てができたことは大きな成果だと思う。

後日行われた水質調査では、鉄分が多く飲料水としてはふさわしくないとの結果が出た。生活用水として役に立つものであることは間違いないが、飲めるように浄化する装置もあるようで、これからの課題となると思う。

防災とは、災害を未然に防ぐこと、起きてしまった災害による被害の拡大を防止することだ。災害を防ぐことは難しいが、起こった後の状況を想像して何が必要かを考えることはできる。その一つが、防災用井戸だと確信している。今後、各地域で防災用井戸への関心が高まることを願っている。

2026.07更新(2025-26年度MC委員長/橋本茂人)