取材リポート 子どもたちの成長を
地域で見守り支える音楽祭

子どもたちの成長を地域で見守り支える音楽祭

2月1日、浮羽ライオンズクラブ(内山剛敏会長/24人)が主催し、久留米市教育委員会・うきは市教育委員会・うきは警察署・西日本新聞社・浮羽みのうライオンズクラブが後援する「第38回青少年ミュージックフェスティバル」が、うきは市文化会館で開催された。

出演するのは、うきは市及び久留米市田主丸町に所在する小・中・高校16校の子どもたち。心のこもった合唱や合奏が披露され、和やかな温もりが会場いっぱいに広がった。

本来は18校が出演予定だったが、インフルエンザ流行の影響で急きょ2校が出演できなくなった。不参加となった学校の先生から「残念がって泣いている子どもたちがいる」と聞いた堺太一郎実行委員長は、「来年もあるからね、とお伝えください」と声をかけたという。そうしたさりげない心の温かさが、このフェスティバルをさらに明るく、元気にし、青少年育成につながっているのだと感じた。

フェスティバル開幕を前に士気を高めるクラブメンバー

第1回のフェスティバルは1985年、当時の浮羽郡3町(浮羽町・吉井町・田主丸町)の学校が参加して行われた。その後、2005年には田主丸町が久留米市に編入され、残る2町が合併してうきは市が発足したが、フェスティバルは旧浮羽郡内の学校を対象に変わることなく続いてきた。

今年で38回目となったフェスティバルの会場には、うきは市の権藤英樹市長、樋口則之教育長、久留米市の井上健介教育長も応援に駆け付けた。権藤市長はあいさつの中で「子どもたちは地域の宝。音楽という文化を通して、一人ひとりが協力し合うことや、地域の人とのつながりを強めることが大切である。子どもたちの心のつながり、地域とのつながりを大事にしていきたい」と述べ、子どもと地域の絆を大切にしていることがよく分かる話に安心感を覚えた。

その後、浮羽ライオンズクラブから出演各校へ音楽育成金(助成金)の贈呈が行われ、内山会長から各校を代表して御幸小学校の校長へ目録が手渡されると、会場から大きな拍手が送られた。

浮羽ライオンズクラブが青少年育成の願いを込めて実施するこのフェスティバルの意義を、久留米市の井上教育長は次のように評価する。
「青少年ミュージックフェスティバルは、音楽を通した子どもたちの文化交流の場であり、地域に親しまれるすばらしいイベントです。各校の子どもたちにとって、仲間と歌声や楽器の音色、そして心を合わせることの楽しさを味わい、会場に集う方々と分かち合う体験ができる貴重な機会となっています。この経験が、これから力強く生きていく子どもたちの支えになることを願っています」

フェスティバルの間は堺実行委員長を筆頭にクラブ会員が会場内外を駆け回り、出演した子どもたちの心に残る公演になるよう、細やかな心配りで裏方を務めていた。

各校代表へのインタビュー

各校の演奏前には、代表の児童・生徒2人に対するインタビューの時間があった。「学校の自慢」「学校で大切にしていること」「先生のこと」「中学生になったらがんばりたいこと」など、自分たちの学校をアピールする時間だ。

全校児童69人の小規模な小学校の代表は「みんなが兄弟のような関係で、仲良く取り組んでいるのはあいさつ運動。先に児童からあいさつをし、地域の人が返してくれる」と説明してくれた。別の小学校は「ワンストップあいさつ運動」を紹介。これは「一度立ち止まってあいさつをする」というもので、ステージ上で実演して見せてくれた。「中学生になったら勉強と部活の野球をがんばる」「自分の好きを増やしていく」など、子どもたちからはたくさんの前向きな言葉が聞かれ、会場で見守っていた保護者たちも感心したのではないだろうか。 

会場ロビーでは、障がい者支援施設、耳納(みのう)学園で作られた「耳納焼」の販売と、浮羽ライオンズクラブの会員が持ち寄った品物を販売するチャリティーバザーが行われた

昼休憩の後、最初に演奏したのは、出演校の一つ浮羽工業高校のOBを中心に結成された社会人バンド「どり〜むバンド」。出演各校の子どもたちも加わって一緒に演奏した。社会人バンドが出演するようになったのは前回から。「地元で音楽活動を続けていくのは簡単なことではなく、演奏を発表する機会も少なくなっている。青少年育成だけでなく、音楽を通じて地域を元気にしたい」と、堺実行委員長は話す。

このフェスティバルが「地域の一体感を高め、文化を次世代へつなぐ重要な役割を果たしている」と述べるのは、うきは市の樋口教育長。地域に根差した音楽祭の成果として「目標に向かう個人の技術や自己肯定感の向上」「仲間と音を合わせる力、思いやりの心の育成」「世代や学校の枠を越えた音楽での交流」「地域全体で子どもたちの成長を見守る機会の創出」を挙げている。

子どもたちの演奏からは、この日に向けてしっかりと練習を積んだことが伝わってきて、来場者は温かな手拍子を送って会場を盛り上げていた。子どもたちの成長を地域のみんなで応援するこのフェスティバルのすばらしさを感じながら、会場を後にした。

2026.03更新(取材:ライオン誌日本語版編集長/渕野二三世〈大分ライオンズクラブ〉)