獅子吼 里山の循環に向けた第一歩

里山の循環に向けた第一歩

結成1周年の節目に「循環」の在り方を問う

北九州みらいライオンズクラブは、3月22日、結成1周年の記念事業として「里山循環ツアー―富士町の循環を体感する一日―」を開催しました。当クラブは結成以来、単なる金銭的な支援にとどまらない「奉仕のアップデート」を模索してきました。その一つの答えとしてたどり着いたのが、人間、野生動物、そして自然環境が共生する「循環」の仕組みを正しく理解し、支援することです。

本ツアーには当クラブのメンバーに加え、趣旨に賛同された久留米中央、北九州紫水、北九州小倉東、北九州ひまわり各ライオンズクラブの会員の皆さんにも多数ご参加いただきました。さらに、当クラブが新たに導入した「サポーター会員」2人も参加し、クラブの枠を超えた奉仕の輪が大きく広がる一日となりました。

猟師の視点から学ぶ、山と海のつながり

ツアーの舞台となったのは、佐賀市富士町です。ここで獣害から里山を守るために活動されている塘(つつみ)さなえさんを講師に迎え、塘さんと共に里山保全の活動をされている農家の方と一緒に「猟師と農家が語る、現状と循環型里山の未来」をテーマに学びを深めました。塘さんは、単に個体を捕獲することだけが目的ではなく、山、里、そして海へとつながる大きな生態系の循環を守ることの重要性を強調されました。

「海の栄養不足は山の荒廃に起因する」というお話は、私たちの視野を地球規模へと広げてくれました。参加したメンバーからも「点での議論ではなく、なぜ今の状況があるのかを多角的に捉える視点の大切さが腑に落ちた」との声が上がりました。この深い理解こそが、次世代へ豊かな自然をつなぐための基盤となります。

雨の中での対話と「命の恵み」を体感するBBQ

当日はあいにく雨に見舞われ、予定されていた罠の見学などのフィールドワークは断念せざるを得ませんでした。しかしその分、室内での密度の高い対話と「ジビエ&山野草のバーベキュー」を通じて、参加者全員が「命をいただく」という循環のプロセスを肌で感じることができました。

実際に地域で捕られた猪肉や鹿肉、老舗料理店による旬の山野草料理を堪能することは、自然の恵みを無駄にせず社会に還元する実践そのものです。食事を囲みながら、他クラブの会員やサポーター会員との間で行われた活発な意見交換は、これからのライオンズクラブの可能性を再確認する貴重な時間となりました。サポーター会員の皆さんにも、当クラブの具体的な活動への理解を深めていただき、正会員としての入会を前向きに検討していただく機会となりました。

自立型保全システムへの支援と未来への決意

本ツアーの大きな目的の一つとして、参加費の一部と会場で募ったドネーション(寄付)を、猟師と農家が協力して行う「自立型里山保全システム」の構築に充てました。具体的には、広大なエリアの罠の見回りを効率化・迅速化し、安全かつ確実な保全活動を支えるための無線通信機の導入費用として活用されます。

塘さんからは「里山の循環に向けた第一歩目を、皆様と共に踏み出せたことを本当にありがたく思う。皆様とのつながりを大切に、今後も保全活動に邁進したい」との力強いメッセージをいただきました。

環境は今、大きな転換期を迎えています。私たちが先代から託された豊かな自然という「財産」を、より良い形で子どもたちに届けなければなりません。今回のツアーは一度きりのイベントではなく、持続可能な奉仕の始まりです。「ライオンズクラブは、やりたいと思ったことを形にできる場所である」という喜びを胸に、私たちはこれからも「循環」をキーワードとした活動を力強く展開してまいります。

(337-A地区マーケティング・ICT委員長/〓〓年入会/〓歳)

2026.03更新