フィリピンのスラム地区へ
希望を届ける
群馬県・伊勢崎佐波ライオンズクラブ
#人道支援
#青少年支援

伊勢崎佐波ライオンズクラブ(斎藤博会長/38人)は、2025年4月27日から5月1日まで、フィリピンの首都マニラ近郊にあるアンゴノ地区のスラムを訪ね、衣類や食料などの物資を届ける活動を行った。本稿では、この活動の経緯や具体的な取り組み、そして支援の輪が広がる様子を詳しく紹介したい。
貧困に苦しむフィリピンのこどもたちへ、愛と希望を届ける――この支援活動は、私財を投じて物資を集め、遠く離れた異国の地へと送り続けた、ある姉と弟2人のひたむきな思いから始まった。彼らは、目の前の困難に手をこまねくのではなく、自ら行動を起こし、小さな善意を積み重ねることで、支援の輪を広げていった。
その温かい思いは徐々に広がり、ライオンズクラブという新たな力を得ることで、より多くの人々へ希望を届ける大きな流れへと成長した。これは、単なる支援活動ではない。一人の善意が、仲間たちへと広がり、ついにはクラブの正式な活動として実を結んだ、愛と希望の物語である。

1. フィリピンのスラム地区の現状
フィリピンは経済成長が進む一方で、都市部における貧困問題は依然として深刻だ。特にアンゴノ地区のスラムは衛生環境が整っておらず、十分な食料や衣類を手に入れることができない家庭も多い。こうした状況の中で、多くのこどもたちは厳しい生活を余儀なくされており、少しの支援でも彼らにとっては大きな希望となる。
2. ライオンズクラブの支援活動の経緯
この活動の原点は2018年にさかのぼる。当時、まだライオンズクラブのメンバーではなかった高橋和代さんが、旅行先のフィリピンでスラムの状況を目の当たりにして「何かできることはないか」と考え、2人の弟やその友人たちと共に自ら炊き出しを行い、こどもたちに食事を提供したのが始まりだった。この活動は毎年続けられ、衣類や食料品などを贈り続ける個人的な支援活動へと発展した。
その後、高橋さんは知人のライオンズクラブメンバーの誘いを受け、当クラブに入会。高橋さんが個人で実施している支援活動に感銘を受けたクラブメンバーたちが次々と参画。個人的な支援から「クラブの正式な活動」へと変わっていった。
3. 具体的な支援内容
2025年4月27日から5月1日まで、高橋さんを含む4人のメンバーは、マニラから車で約1時間の場所にあるアンゴノ地区のスラム2カ所を訪問した。
今回の支援では、伊勢崎佐波ライオンズクラブのメンバーで約200人分の夏服を用意した。服選びも、フィリピンの暑い気候で快適に過ごせるよう考えられている。
さらに、カップラーメンやチョコレートなどの菓子をナップサック120個に詰めて、現地のこどもたちに贈った。食料品は、栄養価が高く、すぐに食べられるものを選んだ。また、ナップサックは単なる包装ではなく、こどもたちが学校や日常生活で活用できるように工夫を施している。

4. 支援の影響と今後の展望
こどもたちがナップサックを背負い、衣類を大切そうに抱きしめる姿を見た時、メンバーは胸がいっぱいになった。彼らの瞳には物資以上のもの――日本からの温かい気持ちと、支え合う心のぬくもりが映っていた。
支援を受け取った瞬間のこどもたちの笑顔は、何よりも雄弁にこの活動の意義を物語っていた。「ありがとう!」という声と共に小さな手が差し出され、その手を握り返した時、私たちは確かにつながっていると感じた。ただ単に物資を届けるのではなく、心と心を結ぶこと――それこそがこの活動の真の価値なのだと改めて実感した。
この支援の輪をさらに広げ、より持続的な支援を展開することが私たちの次なる使命だ。教育支援や医療サポートの充実を図り、現地のコミュニティーと強く結び付くことで、こどもたちが未来へと歩みを進める助けとなるよう努めていきたいと考えている。
こどもたちに「受け取る喜び」だけでなく、「自らの力で未来を築いていく希望」を届けるために――。この活動は、決して一度きりのものではなく、支援の輪を絶えず広げていくための大切な一歩なのだ。

ライオンズクラブの支援活動は、物資を届けるだけではなく、人々の心をつなげ、支援の輪を広げるものだ。今回の活動を通じて、一人の思いが仲間へと広がり、組織としてより大きな支援を実現することができた。
困難な環境にあるこどもたちを「助けたい」という強い気持ちを形にすることで、彼らの生活が少しでも豊かになり、未来への希望を抱くきっかけになればと切に願っている。
2026.01更新(伊藤純子)

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