取材リポート
ふるさとをもっと大好きに
ワンパク!たんけん中津
大分県・中津ライオンズクラブ
#青少年支援

11月15日、16日、秋晴れの下で「ワンパク!たんけん中津」が開催された。中津市の三光・本耶馬渓(ほんやばけい)地域を主会場として行われ、市内小学校の4〜6年生と、中学校の1、2年生の37人が参加した。主催は中津市教育委員会、共催は中津ライオンズクラブ(大平好隆会長/88人)で、これまで30年にわたって継続されてきた事業である。

瀬戸内海に面した中津は、中津藩士の家に生まれた福沢諭吉が幼少期から青年期までを過ごした地。城下町の風情が残る市街地と、日本有数の奇勝と言われる耶馬溪を含む山間地域で、変化に富んだ表情を見せる。
「ワンパク!たんけん中津」の目的は、子どもたちが中津の魅力を学び、体験する「ふるさと学習」を通して、「将来、中津に住み続けたい」、「一度中津を離れてもまた帰ってきて暮らしたい」といった地域への愛着を深めてもらうこと。教育委員会とライオンズが協力し、地域の将来を担う子どもたちを温かく見守り、育てようと取り組んでいる。中津の子どもは幸せである。

この事業の歴史は、1996年に小学4〜6年生を対象とした「たんけん中津」として始まった。開始から20年余りは中津ライオネスクラブ(中津ライオンズクラブの下部組織)が支援していたが、ライオネスクラブ解散により2009年から事業を引き継ぎ、「ワンパク!たんけん中津」として実施している。
それ以前は1日のみの開催で、中津城の城下町周辺を散策しながら学習することが主体だったが、1泊2日(ワンパク)で「三光地区・本耶馬渓地区」と「耶馬溪地区・山国地区」を隔年で訪れて探検し、中津の歴史や自然について学習を深める活動となった。更に、2014年からは市教育委員会による検定試験「なかつ学びんぴっく」の「子ども中津検定」(小学4〜6年生対象)と「ジュニア諭吉検定」(中学1、2年生対象)が同時開催されるようになり、これを機に中学生も参加するようになって現在に至っている。

小楠コミュニティーセンターで行われた開会式では、古口宣久中津市教育長から「中津学びんぴっくの後は、自分の目で探検をしながら、他校の人と交流をしてください」とあいさつがあった。また、中津市教育委員会ホームページの告知を見て、神奈川から申し込みがあったことも紹介された。
オリエンテーションでは各グループに分かれて自己紹介を行い、「自分の好きなこと」を発表した。中学生の男子が「お茶と一緒にお菓子を食べること」と話すと笑いがこぼれ、一瞬のうちに和やかな雰囲気になった。みんな素直な子どもたちばかりでほほ笑ましかった。その後、グループ内の班長1人、食事係1人、清掃係2人もスムーズに決まり、ライオンズ会員が運転するマイクロバスで「コアやまくに」まで移動して、昼食タイム。昼食は山国産の食材を使った弁当で、調理を担当した皆さんから「心を込めて作った」などの話を聞いて、おいしく頂いた。

昼食後は猿飛千壺峡(さるとびせんつぼきょう)と魔林峡を散策し、鮮やかに色づいた木の葉舞い散る道を歩きながら、秋の美しさを味わった。その後、津民小学校に会場を移し、ライオンズメンバーの手を借りながら夕食用の飯ごう炊飯とカレー作りを体験。夜は手作り花火体験を楽しんだ。2日目のプログラムには、農業・農村体験のできる施設「やかた田舎の学校」でのそば打ち体験などがあった。
主催者である市教育委員会の古口教育長は、この事業に寄せる期待を次のように語る。
「ワンパク!たんけん中津では、子どもたちが『なかつ学びんぴっく』で学んだことを、実際にその場に行って見て、聞いて、体験しています。中津のことを知って大好きになり、『私たちのふるさと中津は、こんなにすてきな所なんだよ!』と、胸を張って語れる大人になってほしい」
中津ライオンズクラブの大平会長も同じ思いで、「今年で30回目を迎えたこの活動を通じて、未来を担う子どもたちが中津の魅力に気付き、将来ふるさとで暮らしたいと思ってもらえるとうれしい。この有意義な事業を今後も市教育委員会と共に継続していきたい」と話していた。

子どもたちの健やかな成長を願う市教育委員会とライオンズクラブが互いに心を通わせることで、今回の活動の目的を達成することができた。その証しに、子どもたちの表情には満足感があふれていた。
2025.12更新(取材:ライオン誌日本語版編集長/渕野二三世〈大分ライオンズクラブ〉)

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