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第4回全国特別支援学校
フットサル大会
公益財団法人日本ライオンズ

公益財団法人日本ライオンズ(小野寺眞悟理事長)が主催する第4回全国特別支援学校フットサル大会が11月1日、東京都調布市の京王アリーナTOKYOで開催された。2025年度は全国8地区の地区大会に過去最高の138校が参加。その中から12校が全国大会に進み、優勝を目指して熱戦が展開された。

本大会は通常の学校生活では外部との交流が限られる生徒たちが、フットサルを通じて交流を図ると共に、「自主自立」「リスペクト」の精神を養い人間的な成長を促すことを目的に設立され、2022年から開催されている。試合中はベンチからの指導者による指示やコーチングが禁止されているのも、本大会の特徴だ。
出場チームのレベルは年々上がっており、今大会も過去最高と言える技術の高さ、戦術理解度で、予選リーグから僅差(きんさ)の熱戦が展開された。その中で優勝候補筆頭と目されていたのは3連覇を目指す栃木県立支援学校宇都宮青葉高等学園(東関東)だったが、優勝の栄光を手にしたのは初出場の東京都立中央ろう学校(西関東)だった。

逆境をはね返しての優勝だった。予選リーグ初戦で北海道立白樺高等養護学校(北海道)に逆転負け。鋤田嵐士監督は「すごく高いレベルで勝ち抜けるかどうか不安だった」と振り返るが、選手たちは互いに鼓舞し合って2戦目に勝利。3戦目は勝った方が予選リーグ1位という兵庫県立西神戸高等特別支援学校戦を3−1で勝ち抜き、1~3位リーグに駒を進めた。決勝リーグでは愛知県立名古屋聾(ろう)学校を1−0で破り、引き分けでも優勝という状況で最終戦の富山県立富山高等支援学校戦を迎え、一時は1-3とリードされたが残り2分で追い付き執念で優勝を飾った。
中央ろう学校は6月に同好会としてチームを立ち上げ、わずか5カ月余りで全国の頂点に輝いた。快挙の要因は、10番の佐藤一侍主将(2年)と11番の中川遥翔選手(3年)という、大会最高レベルの圧倒的テクニックを持つ2人を周囲がしっかりと支えたことだろう。4年連続出場で悲願の2位入賞を果たした名古屋聾学校は、ゴレイロ(フットサルのゴールキーパー)を中心とした組織的かつ体を張った守備力もすばらしかった。予選で3連覇を狙う青葉高等学園を破り、決勝リーグでも中央ろう学校を追い詰めた3位の富山高等支援学校の鋭いカウンター攻撃にも目を見張った。

熱く激しい戦いも終わればノーサイド。閉会式後の食事会は笑顔が絶えない雰囲気で各校選手の交流の場となった。来年度の全国大会は兵庫県姫路市で開催される。選手たちの笑顔や真剣にプレーする姿を再び見られることを心から願っている。
2025.12更新(フォトライター/木村健太郎)

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