投稿リポート
床に座れば、みんなが仲間
共生スポーツの挑戦
石川県・小松中央ライオンズクラブ
#人道支援

小松中央ライオンズクラブ(45人)では、昨年度から「座位(シッティング)バレーボール」を通じた社会奉仕事業に取り組んでいる。
座位バレーボールは、床に座った状態で行うバレーボールで、障がいのある人も、ない人も、同じルール・同じコートでプレーできる競技だ。立つ・走るといった能力の違いを超え、「床に座れば、みんなが仲間」になれる。この競技の本質に、私たちは大きな可能性を感じた。
きっかけは、県内で活動する競技チームとの出会いだった。
「小松でも、競技として本気で取り組める場を作れないか」
そんな思いから、まずは体験会を実施し、10月26日に小松サン・アビリティーズにて、初の座位バレーボール大会を開催することができた。

大会当日は、座位バレーボール男子日本代表選手の皆さんが参加し、その高い技術と真剣なプレーを間近で体感できる貴重な機会となった。併せて、他県の座位バレーボール愛好チームの皆さんが、「小松にこの競技を広めたい」という思いから駆け付けてくださり、地域の枠を超えた交流が実現した。そうした温かい協力により、小松のコートは一日限りではあるが、全国とつながる舞台となった。
ママさんバレーボール選抜チーム、男子高校バレーボール部、一般市民も同じコートに立ち、最初は戸惑いながらも、次第に声をかけ合い、笑顔が増え、最後は自然と拍手が生まれる。そんな光景が会場いっぱいに広がった。

この場面こそ、小松中央ライオンズクラブの今年度のスローガン「その挑戦に、私たちは寄り添います!WE SERVE ― WITH YOU IN EVERY CHALLENGE!」を体現する瞬間であったと、私たちは実感した。
本事業を進める中で、私たちは改めて気付かされた。障がい者スポーツは、特別な人のための特別なものではないことに。競技として真剣に挑戦する日本代表選手の姿に学び、障がいのない人も共にプレーし、全国の仲間が後押しする。それはまさに、ライオンズクラブが掲げる「We Serve」の精神が形となった姿だった。

現在、当クラブでは2026年度に向けて新たなチーム作りを進めている。1月からは体験・準備を兼ねた練習会を開始し、2月からは定期練習をスタートする予定だ。また、教育機関や障がい者施設からの要望があれば、授業や体験活動での活用を対象に、内容・安全面を確認した上で競技用具の貸し出しにも応じる用意がある。
この活動は、会長や一部のメンバーだけで成り立つものではない。全国からの支援、地域の協力、そして会員一人ひとりの行動が重なってこそ実現するものだ。
座っても、思いは立ち上がる。
床に座れば、みんなが仲間。
小松中央ライオンズクラブはこれからも、「その挑戦に寄り添う」活動を、仲間と共に続けていく。
2025.12更新(会長/小西勝士)

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