投稿リポート
能登被災地支援活動
写仏・ほうろく灸体験会
富山県・上市ライオンズクラブ
#災害支援

334-D地区(富山県・石川県・福井県/森川直之地区ガバナー)の今年度基本方針の一つに「能登地域での奉仕活動実施」がある。2024年元日に発生した能登地方を震源とする地震は甚大な被害をもたらし、9月にも能登半島地域が豪雨災害に見舞われた。上市ライオンズクラブ(19人)では災害発生直後から自分たちにできる支援をしようと活動してきたが、今年度は地区の方針をきっかけに、被災地に足を運ぶ支援活動を計画。被災した人たちの心に寄り添うケアができればと願い、当クラブ会員で上市町にある大岩山日石寺役員の中田眞法さんを講師とし、「写仏・ほうろく灸体験会」を実施することにした。
写仏体験は、大岩山日石寺にある不動明王摩崖仏を書き写し、護摩祈祷(きとう)後に「御守りの護符」として本人の手元に届けるもの。また「ほうろく灸」は大岩山日石寺で行われる祈祷行事で、頭にほうろく(素焼きの土鍋の一種)を乗せ、その上に置いたもぐさに火をつけて祈祷すると、頭痛封じや体のバテ防止のご利益を得ることができると言われている。

体験会は輪島市社会福祉協議会の協力で企画・準備を進め、当日は20人の参加者に「写仏・ほうろく灸」を体験していただいた。真剣な面持ちで写仏を書き写す姿に、会員一同心に思うものが込み上げてきた。
体験者に感想を聞いてみると「大岩山日石寺を知っていたので体験できてうれしかった」「珍しい体験ができました」と喜んでいただき、社会福祉協議会の担当者は「普段、家にこもりがちな方もいるので外に出るきっかけになりました」とおっしゃっていた。

体験会終了後は、クラブ会員で輪島朝市があった場所を視察した。行き帰りに通った「のと里山街道」のでこぼこ道や、いまだ復旧工事中の現場を目の当たりにし、能登地域の再建や復興には、まだまだ時間を要するものと実感した。今回の支援事業では、輪島市の皆さんに大変温かく迎えてもらった。北陸の厳しい寒さや自然環境の中で支え合って生きてこられた優しさを感じると同時に、一日も早い復興を強く願った。
2025.11更新(会長/高木正勝)

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