投稿リポート 視覚支援学校で
触れて自然を感じる体験会

視覚支援学校で触れて自然を感じる体験会

盛岡南ライオンズクラブ(菊池慶治会長/61人)は、9月17日に岩手県立盛岡視覚支援学校で「魚とのふれあい体験」を開催した。

「視覚障がいを持つ子どもたちに『見る』ことではなく『触れる』ことで自然を感じてもらいたい」という思いから、視・聴力保護保健福祉委員会が企画した奉仕事業で、盛岡視覚支援学校の担当教諭と何度も打ち合わせを重ね、会員の協力による備品の準備や全体の流れのシミュレーションを行って当日に備えた。

会場の校庭に大型簡易プールと冷たい地下水、元気なニジマスを用意。当日は雨の予報だったが、準備中は残暑の日差しで蒸し暑く感じるほどだった。体験会が始まると、冷たい水に触れた児童生徒の笑顔、歓声が校庭いっぱいに響き渡った。

冷たい水の中を泳ぐニジマスを手探りで追いかける子どもたち。「わぁ、ヌルヌルしてる!」「逃げないで~!」と声が上がった。

釣り体験では息をひそめて竿を構え、竿先がピクンと動いた感触に「釣れた!」と歓声が響いた。竿を通じて魚の躍動を感じ、釣り上げた魚を手にほほ笑むその表情には、驚きと喜び、そして命を感じ取った静かな感動があふれ、私たちも胸が熱くなった。支援学校の職員によると、普段は消極的で率先してチャレンジすることがない子も、自ら「釣ってみたい」と挑戦していたとのことだった。

目で見ることが難しくても、冷たい水や魚の感触、歓声と笑顔など全てが子どもたちの「体験の記憶」として刻まれたはずだ。担当教諭からは「(子どもたちが)生きた魚に触れたのは初めて」と感謝の言葉をいただき、命のぬくもりと喜びを共有した心温まる奉仕活動となった。

2025.11更新(視・聴力保護保健福祉委員長/佐々木修)