3度目の正直

3度目の正直

午年の年頭に、筆者は、人生の歩みの中で過去幾度かの「3度目の正直」に頭を巡らせ、心地良いノスタルジーを興ずるモノ思いにふけっていた。

「3度目の正直」の1度目は17年前、我が331-C地区の大会委員長を務め上げた時。2度目は当時の地区キャビネットの役目が終わった途端に、ゾーンチェアマン(今はゾーンチェアパーソンと改名)を拝命。ライオンズクラブのエッセンスもおぼつかない筆者だったが、ゾーン委員と一緒に担当5クラブの公式訪問を何とか無事に終えた。3度目は2014年に地区ガバナーに就任。「まさかの坂」なる「3度目の正直」とは本当にあることを実感。青天の霹靂(へきれき)ではあったが、振り返れば楽しいことだらけの思い出だ。

齢(よわい)76の我が人生を顧みれば、正に「3度目の正直」を絵に描いたような物語になるのかも知れない。飯のタネである仕事においては、1度目の仕事は、今なお超安定企業の日立マンだ。開発センターで、新機種の機械製作に携わったのは懐かしい思い出だ。2度目は、マスコミの時事通信社。ここで文章作りの「イロハ」を学んだ。原稿作りと記者魂をたたき込まれた。そして3度目は、保険会社の富士火災(今はAIG)。脱サラ法人化して30年有余。今は息子が引き継いで、元気に保険代理店業を存続している。

たどった道のりは一見、一貫性のない業種に見えるが、「組織」「モノ」「記事」「金融資産」作りなど、クリエイターのプロフェッショナルになるための修行に勤しんだ人生としては、つながりの深いものだらけだ。

三つの企業で学んだ経験があるからこそ、今の自分を醸成できたと満足そのもの。ライオンズライフを満喫できるのも仕事が安定しているからこそで、活動の肝(きも)だと思う。

ところで今、日本の人口は約1億2,300万人。顔も性別も体形も千差万別だ。もしも、1億2,300万人が総じて全員コピー人間、同じ性格だったら、ただただ気持ち悪いだけだ。性格も趣味嗜好(しこう)も千差万別だから、人生いろいろな化学反応で日進月歩、世の中おもしろい可能性が満載だ。

良いことばかりではない。人間千差万別だから、意見が噛み合わずけんかも絶えない。人間同士のけんかは、人間が解決するしか術がない。しかし、取り返しのつかない、けんかの最悪状態は「戦争」だ。口げんかとは大違い。大砲・ミサイルや戦車、軍艦を駆使した「死ぬか生きるか」命がけのけんかだから、仲直りは困難だ。戦争ほど無意味で不条理極まりない悲劇はない。

世界200以上の国と地域で活動するライオンズクラブは、平和主義が原理原則の奉仕団体だ。相互理解の精神で、相手を思いやることを順守し、争いなどと無縁の団体だ。

「3度目の正直」とは、「1度目や2度目は思うようにならないが、3度目はうまくいく」と言う格言らしい(諸説がある)。筆者は1度目も2度目も、特別嫌なことはなく、楽しい時間だった。だから3度目は、それまでの積み重ねが、当然のごとく結実した成果に過ぎない。おごりや思い上がりのつもりは、毛頭ない。

「いま ここ 自分 その合計がじぶんの一生」(相田みつを語録)

喜寿を迎え、この先の未来も、ライオンズライフを存分に謳歌(おうか)していきたい。これからも更なる「3度目の正直」探しで、正真正銘の「正直」を証明し、我が人生に悔いなしを全うしたい。

新春午年の想念を獅子吼に吐露。「今、ここ、自分」の旅路はまだまだ続くだろう。

(2014年度331-C地区ガバナー/1988年入会/77歳)

2026.01更新