獅子吼 楽しさと奉仕の
ライオンズフェスタ

楽しさと奉仕のライオンズフェスタ

我々の「本気」が行政と社会を動かした

10月12、13日、337-A地区(福岡県/松村誠地区ガバナー)主催の「ライオンズフェスタ2025」が、北九州市の勝山公園・市役所前広場で開かれました。

今回のフェスタは、地区ガバナー方針の核心である「一般社会に向けた広報活動への取り組み」の集大成として企画されました。その構想の実行を引き受け、見事に牽引(けんいん)したのが、山本泰輔大会実行委員長(福岡大名ライオンズクラブ)。彼がステージから放った高らかな開催宣言は、4,300人の仲間全員の「やるぞ」という決意を代弁する、「本気」の狼煙(のろし)でした。

その「本気」は、即座に社会を動かしました。 地元・北九州市が「共催」という、単なる名義貸しではない深い関与を決断してくださったこと。更に、福岡県と北九州市教育委員会が「後援」として、我々の活動の公共性を証明してくださったこと。この盤石の布陣こそ、我々が長年培ってきた地域との信頼関係の証しです。

開会式には武内和久北九州市長が駆けつけ、心の込もったごあいさつを賜りました。そして、その華やかなステージの上で、我々は「令和7年8月熊本鹿児島福岡大雨災害支援金」の寄贈を厳粛に執り行いました。これこそが我々の答えです。我々の「楽しさ」は、決して奉仕から目をそらすものではなく、社会への責任と使命を果たす「We Serve」の精神と常に固く結び付いているのだと、満場の市民の皆様の前で高らかに示すことができたのです。

前代未聞の連携

フェスタ会場の空間は、ライオンズクラブだけのものではありませんでした。「働く車が集合!」の呼びかけに、日本の守りを担う皆さんが、我々の想像をはるかに超える規模で応えてくださいました。陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊の車両が威風堂々と並び、ステージプログラムは、まさに「公共との協働」の集大成となりました。12日、北九州市消防音楽隊による荘厳なオープニング演奏がフェスタの幕を開け、海上自衛隊佐世保音楽隊が、その卓越した技術で市民を魅了しました。 13日には、航空自衛隊西部航空音楽隊によるファンファーレが響き渡り、陸上自衛隊小倉駐屯地の魂を揺さぶる響きが、我々全員の心を一つにしました。

警察、消防、自衛隊という市民の安全を守る皆様が、PRという枠を超え、市民と「楽しさ」を共有するために、これほどまでの「本気」を見せてくださった事実に、主催者として、ただただ感謝と敬意を禁じ得ません。

青少年健全育成という我々の使命

我々が「楽しい」の先に目指したもの。それは地区ガバナー方針の柱の一つでもある「将来リーダーになる人材の育成」と「青少年健全育成」です。我々は、このフェスタを「未来への投資の場」と位置付けました。

会場内の広大な「職業体験ゾーン」「企業・委員会ゾーン」こそが、我々の決意の表れです。 我々の理念に深くご賛同いただいたのは、地元北九州が誇るシャボン玉石けん、ダイキンを始め、セブン-イレブン・ジャパン、福岡ひびき信用金庫、大英産業といった、日本の経済と生活を支える企業でした。子どもたちが目を輝かせながら企業のユニホームに袖を通し、真剣なまなざしで仕事に触れる姿。そこでまかれた「夢のタネ」こそ、我々ライオンズクラブが地域社会に提供できる、最も価値ある「奉仕」の一つに他なりません。

「スポーツ体験ゾーン」でのソフトバンクホークス、そして地元が誇るプロサッカークラブ、ギラヴァンツ北九州との交流も、スポーツが持つ「多様な人々をつなぐ力」を、芝生の上で体現してくれました。

多様な「楽しさ」の演出

地区ガバナーのスローガン「確かなことは、ライオンズは楽しいという事」を実現するため、我々はステージプログラムにも全力を注ぎました。

12日は、オープニングの消防音楽隊に始まり、子どもチアリーダー(Dance Studio Dream Doll)、ガールズダンスチーム(LO@RCHE.)、北九州市立高校ダンス部(N9SD CREW)、そしてキッズダンス(MIX JOHE)と、未来を担う若者たちのエネルギーが爆発しました。 更に、地元シンガー・ソングライターの波多野菜さん、ViViさん、そしてバンドのCLEF、SLASHさんが、プロのパフォーマンスで会場のボルテージを高めてくれました。

13日も、北九州市小倉少年少女合唱団の清らかな歌声で始まり、キッズダンス(エスタジュニアスクール門司、NINARU、SMILEY DANCE STUDIO)、そして世界的マジシャンMr.ヒーローさんのショーが会場を驚きと笑いで包みました。筑前若松五平太鼓や下関平家踊保存会八音会の皆さんは、地域の伝統文化の力を示してくださいました。

そして両日共に、我々ライオンズの仲間である日野雄二さんによる「バナナのたたき売り」 が会場を沸かせたことも忘れてはなりません。ライオンズメンバー自身が「楽しさ」を体現した、すばらしい「属人性」の発露でした。

移動動物園の様子

現場の汗と、仲間の絆

この巨大で複雑なイベントを、2日間事故もなくやり抜いた本当の力は何だったのか。それは、洗練されたマニュアルや指示系統ではありません。仲間一人ひとりの血の通った「属人性」——その情熱と、とっさの機転、そして地区ガバナーが提言された「思いやりと感謝」の心です。

重責を背負った山本大会実行委員長を擁する福岡大名ライオンズクラブの姿は、その象徴でした。 彼らは決して目立つ場所ではない、フェスタの「心臓部」を支えてくれていました。本部運営の飲料販売の手伝い、会員出店のキッチンカー「五縁」のサポート、こども食堂トバタテラスのスポンサーという、まさに「We Serve」の実践です。彼らのリポートにある、あまりにも正直な一文を、ここで共有させてください。「2日とも10月とは思えないほどの暑さで、2日目終了時点でみんなクタクタでした」。この成功は、決して楽なものではなかった。「クタクタ」になるまで流した汗こそが、我々の「属人性」の証しです。そして、この苦労を共にしたからこそ、リポートはこう結ばれます。 「充実した2日間を過ごし、更に会員同士のつながりが堅固になった様に思います」。

これこそ、本フェスタにおける最大の成果です。我々は、イベントを成功させただけではなく、この困難な挑戦を「共に乗り越えた」ことで、我々自身の絆を、かつてないほど強固なものにしたのです。

「楽しさ」のその先へ

我々はただ楽しんだだけではありません。会場の熱気と喧騒(けんそう)から少し離れた場所で、我々は「こどもお悩み相談室」 を静かに開きました。「友だち関係」「家庭のこと」「いじめ」 といった、子どもたちの声なき声に耳を傾け、「一人じゃないよ!」 というメッセージを届け続けました。

13日には、別会場の「ムーブ」でシンポジウムを開催。タレントのスマイリーキクチ氏をお招きし、「親子で学ぶ SNS 誹謗(ひぼう)中傷・引きこもり・盗撮のこと」 という、現代社会の最も困難な課題に、真正面から向き合いました。「楽しさ」は、これらのシリアスな課題に社会の関心を向けるための、最も強力な「入り口」だったのです。

心からの「ありがとう」

337-A地区の全ての仲間たちへ。 我々は、スローガン「確かなことは、ライオンズは楽しいという事」を、北九州の空の下で、見事に証明しました。

ベテランも若手も、学生支部のメンバーも高校生ボランティアも、全員が「参加者」として、それぞれの立場で汗を流し、笑い、そして「クタクタ」になりました。この誇りと、最高に楽しかった記憶を力に変えて、次の奉仕へと、また全員で踏み出しましょう。

(337-A地区マーケティング・ICT委員長/2006年入会/41歳)

2025.11更新