ライオン誌日本語版2025年夏号

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- 彼の世界を形造ったもの
A.P.シンの故郷インドは、他に類を見ない
国だ。インドは人類文明発祥の地であり、そ
の文化の起源は数千年前にさかのぼる。そん
な悠久の歴史にもかかわらず、現代インドは
ありがたいことに、それを実行する手段も同時に与え
られたのです」
る。
あなたが自分の持ちものを与えるなら、まだ少ししか
与えていない。
自分自身を与えてはじめて、真に与えたといえる。
コルカタで生まれたA.P.は、詩人タゴールの夢を胸に
抱いて育った。
心には恐れがなく 首をすくめることのないところ
世界が狭き内政の壁に 分かたれることのないところ
澄みきった理性のせせらぎが
死せる因習の砂漠に迷い込むことのないところ
そのような自由の聖域へと、我が父よ、
我が祖国を目覚めさせたまえ
そしてこれこそ、A.P.がライオンとして掲げるビジョン
だ。
彼は、奉仕とリーダーシップは表裏一体であると信じ
ている。ライオンズは、偉大なリーダーになろうと努力
するのではなく、ただ全力で人のために奉仕をしよう
とする。その奉仕の結果、ライオンズは偉大なリーダ
ーへと成長するのだ。
この奉仕とリーダーシップの融合が、私たちをサーバ
ントリーダーシップというより崇高な境地へと導くも
のであり、A.P.は、これこそが私たちの組織の目指す
べき姿だと考えている。
そういう意味では、彼をライオンズに導いたのは、運
命だったのかもしれない。
「ライオンになって、私は人として成長できました」と
彼は言う。
「そしてライオンとして生きる中で、自分に
は他者に対する義務があることに気づかされました。
A.P.に影響を与えたのは、故郷で身につけた分かち合
いの原則と、ハリール・ジブラーンの思想だ。
自分の井戸が満たされているときにおぼえる渇きへ
の恐れは、決して満たされることのない渇きではない
か? それゆえ、今すぐ与えなさい。与える季節があな
たのものとなり、あなたの相続人のものにはならない
ように。 あなたはしばしば言う、
「与えるつもりはあ
る、ただし受けるに値する者にのみ」と。
あなたの果樹園の木々はそうは言わない。あなたの牧
場の群れもそうは言わない。
彼らは生きるために与える。出し惜しむことは滅びるこ
とだからである。
日々夜々を与えられている者が、あなたからその他の
すべてを受けるに値しないはずがあろうか。
生命の海から飲むことを許された者が、あなたの小さ
な流れで杯を満たすことを許されないはずがあろう
か。
A . P . の 価 値 観 の ル ー ツ が イ ンド だ っ た と す れ
ば、A.P.の奉仕の人生が動き出した場所はライオンズ
だ。インド人の心とグローバルな精神を両方持ち合わ
せた今の彼は、異文化環境の中で、ミッション1.5時代
を迎えたライオンズを発展させる準備ができている。
サーバントリーダーとして、A.P.はライオンズの声に
耳を傾け、その上で世界のライオンズの代弁者とな
り、自らが最初の奉仕者(サーバント)として行動した
いという強い思いに駆られている。
LION
2025 年夏号 16
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