国際財団 子どもたちに伝えたい
蜂と生物多様性の大切さ

子どもたちに伝えたい 蜂と生物多様性の大切さ

蜂は小さな存在だが、私たちの日常生活において極めて大きな役割を果たしている。私たちが口にする食料の3分の1の生産を支えると共に、野生の草花の90%を支えており、私たちの暮らしに欠かせない存在である。

しかしながら近年、蜂を始めとする花粉媒介者は世界的に減少傾向にある。生息地の喪失、気候変動、そして農薬の広範な使用が、人々が日々頼りにしている植物を脅かしている。

フランス南東部、スイス、イタリアとの国境に位置するオート・サヴォワ県マリニエの「ラベイユ・デュ・モール」は、蜂とその生物多様性における重要性の認識を広める団体だ。同団体は、教育と体験型学習を通じて、花粉媒介者が地球上の生命を支える上で果たす大切な役割を若者たちに理解してもらう活動を行っている。

この団体の取り組みの重要性を認識した地元のライオンズは、ライオンズクラブ国際財団(LCIF)に支援を求めた。フォシニー ライオンズクラブは地区およびクラブシェアリング交付金(DCG)2,216ドルを申請し受給。この資金は、教育用の養蜂箱、子どもや青少年向けの防護服、そして生物多様性に関する教育を学校へ直接届けるための広報資料の購入に活用された。

フォシニー ライオンズクラブのベルトラン・デュビー会長によれば、同地域の谷あいでは急速な変化が進んでおり、果樹が植えられた生物多様性豊かな草地は失われつつあり、花粉媒介者の生息環境はますます狭まっているという。

「子どもたちへの啓発は、蜂が蜜をつくるために不可欠な木々を植え直す必要性を理解してもらう助けとなり、同時に保護者とのつながりも生み出します」。デュビー会長は事業の意義をこう説明し、「一人の子どもがこの問題を理解すれば、少なくとも3〜4人の大人に意識が広がり、その結果として一本の木が植えられる可能性が生まれるのです」と述べている。

作業着と手袋を身に着けた子どもたちは、教室を離れ、養蜂の世界へ本格的に足を踏み入れることになる。

その様子を、デュビー会長は次のように説明する。
「子どもにとって、初めて養蜂場を訪れる体験は非常に印象深いものです。最初は緊張している子もいれば、興奮している子もいます。まずはおとなしい群れのいる巣箱を開けることから、子どもたちは蜂に親しんでいきます。それから5分もすると、煙を使って巣箱を扱い、巣板を持ち上げ、一番怖がっていた子どもでさえ手袋で蜂の群れをつかめるようになって、自信を深めていくのです」

養蜂の世界に接した子どもたちは、まずは様子見をする姿勢を取っていた。しかし、蜂蜜を味わい、煙突状の巣箱を組み立てる体験によって、活動はより具体的なものとなり、意欲が刺激され、チームとしての一体感も生まれたという。

デュビー会長自身にとって特に印象深かった場面の一つは、防護服を着用した子どもたちが、指導者やライオンズメンバー、自治体職員の前で蜂の群れを巣箱へ移した時。一方、多くの子どもたちにとってのハイライトは、その日の午後に訪れた。

「蜂蜜の入った巣板を取り出して遠心分離機にかけ、黄金色の蜂蜜が瓶の中へ流れ出る様子を自分の目で見た時、それは子どもたちにとって魔法のような体験となったのです」

プログラムの終了時には参加者一人ひとりが蜂蜜の瓶を手にし、生物多様性と自然界に対する理解をより深めて帰路に就いた。

LCIFの地区およびクラブシェアリング交付金(DCG)を活用し、地域社会がどのように地球環境の回復に貢献できるかについては、こちらを参照。

2026.05更新(国際協会指定記事 文/シェルビー・ワシントン)